一般社団法人地域インタ―ネット新聞社では、2017年4月26日に代表理事の橋本が横浜日吉ロータリークラブ様の例会にて講演させていただきました。
横浜日吉ロータリークラブ様は、国際奉仕団体の一組織として日吉本町に事務局を置き、日吉をはじめとした港北区周辺の経営者が参画し、長年にわたり地域での奉仕活動を積極的に行っています。今回は「ネット空間から取り残された地域情報~『横浜日吉新聞』が果たす役割」と題し、横浜日吉新聞の創刊経緯や運営姿勢などについてご紹介させていただきました。
当日の講演骨子につきましては以下の通りです。
<講演骨子>
【「横浜日吉新聞」創刊のきっかけ】
- インターネット空間に世界中の情報が流れているのに、地域の情報はほとんど流れていなかった(「盆踊り」時に情報が得られなかった)
- 日吉では相鉄との直通線の建設をきっかけに街が変わろうとしているのに、ほとんど情報が流れて来ない(アピタ日吉店の閉店・再開発など)
- インターネット空間は有益な情報も多いが、コピーされた同じ情報ばかりが流れている現状もある
- インターネット空間で発信される情報の多くが「面白系」と呼ばれるもので(猫の写真や水着写真、はたまたコピペで閲覧数を増やし広告収入を稼ぐ)、新聞社などの一部メディアを除けば、真面目に地域課題を伝えるメディアは少ない(かねての問題意識)。だからこそ、真面目に自ら住む地域と向き合いたいと考えた
- 2015年7月から個人的に情報を集めブログ形式で発信する形で横浜日吉新聞を立ち上げた
【閲覧状況】
- 開設3カ月時点(2015年10月):閲覧者2万8,306人、24万2,529ページ(PV)/月
- 開設1年8カ月(2017年3月):閲覧者11万454人、92万6,699ページ(PV)/月
【対象エリア】
- 読者の方からの要望があり、少しずつエリア拡大した結果、日吉だけでなく綱島や高田もカバー
- それ以外の港北区内からも要望が多く、2016年7月に創刊した「新横浜新聞」でカバー
【心がけたこと】
- 「真面目」「地道」に地域課題と向き合うこと(たとえば、日吉や綱島や高田の課題としては、まちづくりや働く親の子育て、高齢化にともなう孤立化などがある)
- 「公平」「中立」であること(どこにも所属せず、どこの組織からも左右されず、あくまでも一住民の目線で物事を伝えること)
- 地域と関わりを持ってもらえるような情報提供を行うこと(特に“日吉都民”“綱島都民”“港北都民”に地域を知ってもらうことで、関わりを持ってもらいたいとの思い)
【「横浜日吉新聞」の掲載内容】
- 日吉新聞の対象エリアに住んだり通ったりしている人だけに知ってほしい情報を流している(日吉や綱島を知らない人にはあまり役に立たないような情報発信を心がけている)
- 「新聞」と名付けたこともあり、日吉や綱島での事件や事故といった防犯情報から、新しいお店が開店したり閉店したりといった情報、地域のイベント、日吉や綱島の再開発など、ニュースを中心に幅広く掲載している。
- 警察や消防が発表する空き巣や盗難、痴漢、火事といった事件・事故の内容は、防犯・防災意識を高めるために積極的に載せている
- 人気があるのは、再開発のニュース(アピタ跡地や綱島SST、綱島新駅の再開発)や飲食店の開店閉店情報、鉄道やバスなどの交通インフラ情報、防犯情報、地域の祭りといった内容。趣味性の強い内容や学術的なものはなかなか読まれない
【「横浜日吉新聞」の収入源など】
- 最大の特徴は、地域の課題を伝えるメディアであることで、最終的に「広告収入」を得ることを目的としたものではない。地域課題を解決するために役立つ情報を伝えることを目的としている
- 一方、無料で公開しているメディアなので、どこからか運営するための資金を得る必要がある。現在は趣旨に賛同いただいている人からの広告収入や「グーグルアドセンス」と呼ばれるグーグルが配信するクリック型広告の収入のみであるが、今後は会員制を考えている
- こうした地域の無料メディアが「広告収入」だけに頼らずどのようにすれば運営できるのか、新たなモデルを創ることができれば、日本各地でも横展開できると考えている。実際に各地から多くの相談が来ている
【「横浜日吉新聞」が果たすべき役割】
「横浜日吉新聞」の運営によって解決に寄与したいと考えている地域課題は下記の4つ
- 地域での孤立化を防ぐ
- 仕事と子育ての両立
- まちづくり(半世紀に一度のチャンス、街を考えるきっかけに)
- “共感”マーケティング→幸福感
以上。ご興味のある方は参考資料[PDF]もご覧ください。
2017年4月26日
一般社団法人地域インターネット新聞社